筋膜の3つの層

【筋膜の3つの層】(Facebookグループ 2021/7/1)

しゅわしゅわ動画のギル先生が、エンボディメント(体現)カンファレンスで昨年レクチャーした動画より。(素晴らしくよかった!!)

【1つ目】表層(superficial layer): 皮膚、脂肪

・保護

・表現

・滋養

・感覚に喜びを与える

・リソース

身体を上下にゆするとブルブルゆれるところ

【2つ目】perifascia(ペリファシャ、peri: 周りの、fasciaの周りのものの意味)

: しゅわしゅわ部分

・これがないと表層と深層がスライドしない

・流動性を与える

・ここ数年話題のinterstitium(間隙)とほぼ同じ扱いでいいと思うけれど、ギルは、「細胞レベルでは間隙だね」という言い方をしてた

→皮膚を掴んで皮膚の方向で動かすとスライドする動き(shear /剪断。2枚の薄いガラスを水で挟んだ時に起こるような動き。顕微鏡で使うみたいな)ギルのしゅわしゅわ動画の中のダンスや、ゆるゆるした動き

【3つ目】深層筋膜(deep fascia): 一般的に筋膜と捉えられるところ

・密で規則的な結合組織(dense regular fibrous connective tissue)

・深層筋膜はペリファシャに埋まっている

(スパゲティーをトレイに並べて、その上にジェルを流す、それから今度はスパゲティーを最初のスパゲティーと直角になるように並べて、またジェルを流す。数時間後、ジェルは少なくなってるけど、スパゲティーに吸収されてる。深層筋膜とペリファシャの関係はそんな感じで、完全にミルフィーユのようになってるわけではない。けど、表層と深層の間にペリファシャがないと、動きは生まれない)

→安定して、ぐらつかない動きを生み出せる場所。いわゆるコアの動きができる部分

〈おまけ1〉

「トリガーポイントは何なんだ」という質問に、

「トリガーポイントは、生きているエネルギーシステムの機能(function of living energy system)だから、解剖で見ることはできない」

という答え。

(今まで聞いた答えの中で一番スマートな気がしました♡)

〈おまけ2〉

身体は音叉と同じ。まず自分の身体。そこから共鳴する。今回の3層の話をしたのもそれが理由。まずは自分で感じてみよう。

〈おまけ3〉

怪我は小さい子供に対するように扱う。子供が頭をぶつけた時、優しく触れたり、身体を抱きしめるよね。大人も同じ。怪我をしたところをグリグリもしたくないし、怖くて触れないということもしたくない。

腸脛靭帯、骨間膜、支帯などなど、全ての構造に共通していること

2020.9にアシスタントとして参加したアナトミートレインのコースで得た情報から、2019.11にアップした情報とつながったので、それもふまえて、ここにまとめておきます。

【腸脛靭帯】は筋膜的にどういう作りなのか?

一言で言ってしまうと、大腿筋膜の一部がただ分厚くなったもの!

解剖学の本で見ると、腸脛靭帯だけ縦に綺麗に存在していますが(下の絵)、これは解剖時に縦にメスを入れただけです。

なので、断面図はこんな感じ。

↑左側の横の黒くなってるところが腸脛靭帯。

で、二足歩行で使用して荷重がかかることにより分厚くなっているので、歩き始める時期より前や、車椅子などで脚を使っていなければ、ここの靭帯っぽさはなくなります。我が家の次女2歳も、まだプニプニです。

ちなみに、右の図を見ると内転筋群、ハムストリング群、四頭筋群とそれぞれのグループを分ける筋膜もあるわけですが(この隔てているものを筋間中隔と呼びます)

赤い色で示したように、これもまた、大腿筋膜の一部です。大腿筋膜が解剖でペローンと1枚で剥がれることはなく、かならず筋間中隔につながるため、筋間中隔にメスを入れないことには大腿筋膜をぐるっと1周はがすことはできません。

そして【骨間膜】

こちらもこの大腿筋膜と腸脛靭帯の関係と同じです。これもまた、脛骨と腓骨の間にペロンとついてるわけではなくて、脛骨と腓骨の骨膜の延長です。

どの構造においてもペロンとついてるものってないんだけど笑、骨間膜も同様に。

なので、意識次第では、もちろん、脛骨や腓骨の骨膜から骨間膜へのアプローチも可能です♡

その流れで【足首や手首にある支帯】

ここは解剖学の本では腱をカバーするバンドのように書いてありますが、

これもまた、まわりの筋膜の一部が分厚くなっているだけのものです。その分厚い部分だけを切り取ると解剖の本になる感じです。

なので、支帯がなくなったら腱が飛び出てしまうようなイメージがあったり、私もそう説明したりしてたけど笑、支帯に、もしメスを入れても、腱は飛び出ません。

ロバート・シュライプ先生曰く、腱を包んでる膜そのものが、それぞれでくっつきあってるから、ということもあるようです。

<研究室+メンバーには続きあり>
https://rolfingbyyuki.com/blog/2023/06/21/itb/

からだの正解、動きの正解

実はこの記事を書き始めていたのが、ちょうど2年前くらい。あたためた記事になりました。笑

今月はFacebookでのアップが多くて、こっちに移行したりしそびれましたが、最近アップしたものの中に、【ここ数ヶ月の情報の総まとめ】というものがありました。そこにも出てきた、“正解”という言葉。

そこにも繋がるし、そろそろここでこの記事を出そうかな、と。

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先月のこと。森山未來さんが出演されていたアナザースカイ。その中で彼はコンテンポラリーダンスで得た感覚について、こんなことを言っていました。

自分たちで解釈することを恐れない

常識に捉われないで欲しい

受け取り方は人それぞれでいい

日本は正解とか解りやすいものを見る事に慣れすぎている傾向にある様に感じる

実は、私も、「正解をすぐ知りたい」人が増えていることをここ数年感じています。

ロルフィングのような身体に携わることをしていると、身体には正解がない、もしくは、正解がたくさんある。そして、すぐにわかるものではなく、色々な過程の中で自分自身でわかっていくもの。そんなことがよく分かります。

けれど、普通に生活していると、どうしても、自分のしていることにOKが出せない、もしくはOKの出し方や出す基準がわからなくて、つい誰かに正解を教えてもらいたくなってしまう。

その気持ちは分かります。

あなたはこうした姿勢で立っていればいいんだよ。

正しい歩き方はこれだよ。

こうやって身体を使っていれば間違いないよ。

こうしたら治るよ。

そう言われたら、誰だって、楽チン。

けど、残念ながら、身体はそんなに単純じゃありません。そして、身体と上手く付き合っていくには、他人によってOKを出される身体ではなく、自分でOKを出せる身体であることが大切です。

今はネットで調べれば、何でもすぐにわかってしまう、いや、わかった気になってしまう時代です。そのため、正解までへのスピードを求める人も多い。

けれど、残念ながら、身体の進化は、そこまで進んでいません。正解がピピッと出ないんです。身体での正解は、日々の中で自分で内も外も感じとっていきながら、ここかな、あそこかな、と探求していくしかないんです。

そうすると、正解は点で存在するのではなく、ここからここの範囲内ならいける!ということがあったりこの時はここが正解だけど、こっちの時はあそこが正解、ということがわかったりするんです。

ストレッチもトレーニングもダイエットも何でもそう。

単純明快でスピーディーに結果が得られそうなものは、やってみると分かりますが、そうではないことがわかります。それが普通です。

もしくはスピーディーに結果を得たものは、スピーディーに失いやすかったり。

時代のスピード感は上がっていくけれど、身体の構造機能はそこまでスピーディーに変化しません。身体とのお付き合いは時間を取ってあげてみてください。そうすると、きっと身体は答えてくれます。

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ここではなくてアメブロに書いたかもしれないけれど、私は、ダンスでもロルフィングでも、正解がないことが普通である、という世界で育ってきたんだなぁ、と確かこの番組を見た時に気付かされたんですよね。

そんな私でさえ、ロルフィングを学び始めたときは、正解を教えてもらえない時にすごく不安を感じました。あってるのかどうかの不安。それでも、もちろん笑、先生は教えてくれないわけなので、私がとった策は、「もし、どう考えてもおかしなことをしている時には教えて欲しい」と先生に伝えておくことでした。もう、そこの信頼感でやっていくしか方法がなかった!笑

ホリスティック・システムのコースの中でも、私に質問をしても、正解が結局自分の感覚に委ねられていることが多かったのは感じたんではないかなぁ、と思います。

そして、再受講している皆さんが、年月を経て自分や身体自身の理解が深まっていることを感じている様に、自ずと正解はそこにあるようになったりする。

身体って本当に面白い!

ググればいろんなことがわかります。わからないままにせず、明確にすることも時に大切ですが、事によっては、簡単に調べられる今だからこそ、しばらくわからないまま放置しておくことも大切にする必要があるんじゃないかな、と思ったりもするここ数年なのでした。

2年前の記事だったけど、やっぱり言うことは何も変わっていませんでしたねぇ。笑

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