私がロルファーになった2005年時には予想もしていなかったほど、今では認知度がアップしている「筋膜」。まだまだ謎も多いですが、それゆえ可能性もたくさん含んでいます。
最近で一番取り上げられたことと言えば、こちらのニュース『人体で最大、新しい「器官」を発見?』。
「間質」について取り上げられていますが、要は筋膜のことだよね、というのが専門家の認識です。先日読んだ、『医道の日本6月号』でも紹介されていました。(ちなみに、この中でロルファー仲間ほしのあつこさんが寄稿されています。良記事!)
ロルフィングでは、ずっと筋膜に着目してきています。実際に、International Fascia Congress(国際筋膜学会)の創立者はロルファーの二人。そして、アナトミートレインという概念を世に出したトーマス・マイヤースの存在も大きいでしょう。
トムはロルファーの大先輩。そんなトムが来日する際に、アシスタントをさせてもらえる機会を初期の頃(まだまだ私が駆け出しのロルファーの頃)から得ていたのは、幸運中の幸運としか言えません。
さて、そんなトムのセミナーでトムがよく使う説明ですが、どのように筋膜に癖がついていってしまうのかを簡易バージョンで紹介します。
慣れないことをする時、どういうやり方がいいのか、色々試しますよね。そういった仕草の中から使いやすいものを使うようになり、それが習慣になっていきます。そして習慣が継続されると姿勢を生み出していき、それが続くと筋膜を含めた構造に影響が出てくる。
…という流れです。
なので、例えば、
①パソコンの画面が見えにくく、よく見ようと顔を画面に近づける仕草が
↓
②顔を近づけたら画面が見やすかったので、それを繰り返す習慣になり、
↓
③いつも顔を前に出して画面を見ながら仕事をするため、パソコンを使っていない時も頭を前に出す姿勢になり、
↓
④その姿勢を続けることで、前に出た頭を支えるために、まわりの筋膜が硬くなったりしながらバランスを取り始める。
こうやって、
繰り替えし行う動きが
筋膜を癖付けていくわけです。
なので、ロルフィングでは、そんな流れも利用しながら、④の構造(筋膜)にアプローチしながら同時に②の習慣になっている動きにもアプローチしていきます。ロルフィングが長期的な変化の持続に繋がる理由はここにもありますね。
姿勢を変えようと思ったら結構大変だった!身体の使い方の習慣を変えるのは一苦労する!なんていう時には、すでに構造に影響が出てきていることが考えられたり、そのとき、身体に何をしていってあげればいいのか考える参考になれば幸いです。
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