興味深い意味付け、そしてその危険

この夏、私は右足の親指を激しく突き指しました。「折れてないか念のため…」と整形外科に行ってみるくらい、腫れるし、痛いしだったのですが、レントゲンで折れていないことを確認。その後、突き指が改善したら、なんと右脚全体のつながりが改善!

すると今度は、突き指していないのに左足の親指が突き指したかのように痛むようになりました。体重を乗せると、ちょっと痛くて体重を乗せるのをついやめてしまうような感じの痛みです。

これが数週間続いた後、先月の後半、仙腸関節を10年以上ぶりに痛めました。そして、その後ロルフィングとヨガでケアをして改善したのですが、なんと…

改善後、左足の親指の痛みが消滅。左脚のつながりも良くなりました。


身体に携わる仕事をしていると、「なるほど、そういうことか!全ては繋がっているんだな。右足親指突き指→右脚全体のバランス変化→左足の代替動作からの左足親指の痛み→帳尻合わせで仙腸関節まで響いてくる、という流れ」を想像してしまいがち。

それは間違いではないけれど、ここで大切なのが、「全く関係ない可能性もある」という可能性を忘れないこと。

「ここがこうだから、こっちはこうなんだな」という意味付けは、人の身体を見ていく上で時にとても危険。当てはめられたパターンや考え方、憶測は、本質を見逃すきっかけになりかねない。

私自身、ロルフィングを学び始め、面白くてたまらなかったことは、いろんなことを意味付けしていたように思います。ここが動きにくいのは、そうか、背骨から来てるんだな、筋膜のつながりだな、なーんて考えたりするのがとても面白かった。

そういう時期があってもいいけれど、最終的には、そうとは限らない、ということを大切にする必要がある。人の身体はみんながみんな違うから。


そんなことを自分の身体で感じた矢先、9月15日から始まったBruce Schofeldによる『筋膜インテグレーション』のコースの通訳をしている中で、同じことを学ぶことになりました。

「ここがこうだったら、内臓がこうだった、とか、そういったよくあるパターンや傾向ってあるんですか?」という受講生の質問にブルースは、

「ないこともないけれど、自分自身は逆に、そういうパターンを考えないようにしている。常にできるだけまっさらな状態でクライアントと向き合わないと、パターンや傾向で考える時、何か大切な物を見落としかねないからだ。私たちの指紋は人によって違う。それと同様に、私たちの身体や動きや意識の仕方が、人によって違うのは当然だ。」と答えたんです。

まさしく。本当にその通り。

私の指導者対象のセミナーシリーズの中でも、色々な身体や動きの分析の仕方は学ぶけれど、パターンや傾向に当てはめる考え方をしないように気をつけることを、よく話します。(そんなセミナーも現在10期生募集中!

A型だから、こうだよね、と言われると、「いや、A型だけどそうでもないよ」というのがあるのと同じです。

意味付けは面白い。けれど、そこにハマりすぎると危険な事実。知っていると便利です。

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